玄関からLDKへ、そして2階へ…
スパイラル形状に繋ぐ動線により
住まいの中へ行けば行くほど
自然と人が集まり、快適な空間に。

土地購入でやや難航

T様ご夫婦は、気に入って購入した土地に実は問題があるとが分かり、契約が白紙状態に。そんなトラブルにも、心折れることなく、前向きに土地探しをされ、また新しい土地とご縁が繋がり無事にご契約されました。
敷地は南北と西側が道路に面した三面道路、東側は駐車場でありながら将来宅地になる可能性もあり、オープンに開くことができる条件でもありませんでした。建物の配置と形状、外構や庭の作り方、間取りと窓の配置をプライバシーの確保を前提に、綿密に計画していきました。

開放感のあるオシャレな家

「自分たちの理想をカタチにできるのが注文住宅の醍醐味だよね」とお話されていたT様ご夫婦。ご主人様は、「カッコいい外観とその辺にはないオシャレ感、住まいの中は坪数以上に感じたい」。奥様は、「開放的なリビングで、1階で全て完結できる暮らしが憧れ」と語ってくださいました。とくにキッチン周りはビシッとイメージが決まっており、天井の美しいおさまり、天井と壁に木を貼り、フロアタイルとの面積のバランスを考えて…。お二人のイメージを実現させるため、とことんこだわりました。

階段をアイアンにしたり、玄関とLDKを繋ぐガラス窓を造作したり、お気に入りの照明をご夫婦自らセレクトしたりと、ご家族やご友人がこのリビングに集い、この居心地の良い空間に自然といたくなるような内装に。「こうした内装にも予算がかけられるほうが、お二人にとって豊かな暮らしができるのではないでしょうか」と建築家からの提案で、無駄のない間取りを設計することで、造作が増やせるよう工夫を凝らしてくださいました。

ホテルライクな雰囲気で

T様のインテリアイメージは、ホテルライク、ソフトゴージャス、シック。カラーはグレージュをメインに、アクセントでブラックをプラスしました。洗面には大判のタイルを貼り、美しい仕上がりに。吹き抜け階段に合わせたのは、空間、素材、光の関係性を見きわめた明かり「New Light Pottery」の「Solaris」。ガラスの厚みが不均質であるからこそ独特の光の表情を引き出すことができる、印象的な照明です。こちらのペンダントライトを最大限に生かすために、取り付け位置も大変吟味したそう。眺めているだけでうっとり幸せな気分になります。

二重のスパイラルがそこにはある

駐車場に車を停めて、アプローチから中庭を通り玄関へ、そしてLDK空間につながるこちらの住まい。この一連の流れがスパイラル状の動線となっており、LDK空間に入った後も、リビング階段から2階へアプローチし、各個室へと導く動線が2つめのスパイラルとなっています。この両者が、プライバシーを守り、快適性を持った、「自然と人が集まる中心性のある心地よい空間」を生み出しています。
中へ入るほど守られ、外部からの視線を気にすることなく、自然体で過ごすことができるのです。

夜になり、ライトアップをしている植栽たちが、ロールスクリーンや壁にふんわりと映る様子は格別のようで、それをゆったりと眺めているのがお好きだと、暮らし始めてからお話を伺うこともできました。まさに心の豊かさを感じられる瞬間ではないでしょうか。これからもこだわりの住まいで、たくさんの喜びを感じていただけたらと思います。