施工事例
里庭を囲む家
「自然とともに心豊かに暮らしたい…」と、
半中庭のような「里庭」を作りました
家庭菜園を楽しみ、縁側には洗濯物を…
丁寧で穏やかな暮らしがはじまります
『里庭』がテーマの住まい
I様ご夫婦は、ともに登山や体を動かすこと、自然とともに暮らすことがお好きなお二人。家づくりに関しても、外と内とのつながりを感じたい、窓を開けて風を通し、心地よさを味わいたいとお話されていました。そこでご提案させていただいたのが、暮らしの中で様々な使い方が可能な半中庭を作ること。家庭菜園をしたり、縁側に洗濯物を干したり、車を止めたり…。この庭は里山をイメージしており、『里庭』と名付けられ、豊かな暮らしのために欠かせないポイントとなっています。
玄関を入ると右側には、趣味収納と作業スペースを兼ねた土間収納が広がります。登山グッズやボード、ロードバイクなどを収め、そして道具のメンテナンスのためのスペースを設けました。玄関すぐのところには帰宅後にさっと手を洗うことができるように、洗面とは別にコンパクトな手洗いを作りました。その先はキッチンへと繋がっており、買い物後の動線もスムーズです。
里庭を中心とした一体的な1階
里庭を中心に、L字型にぐるりと囲むようにLDKや水回りが配置されています。L型の角になるダイニングの奥は暗くなりがちですが、上部に吹き抜けを設けることで、やわらかな光を上から落とし込み、また空気の循環も考えられており、明るさも心地よさも両方を叶えています。
階段の2段目を広めに取り、ダイニングテーブルのベンチとして利用したり、そのままゴロンと横になることも。すぐ隣にはスタディスペースがあり、お子様の勉強や読書にと家族みんなが好きなように使うことができます。
休日はご夫婦でキッチンに立つこともあるとのことで、ゆとりある広さに。「キッチンや洗面にはタイルを」と奥様のご希望に、キッチンバックに採用したのは平田タイルの「Stessa」。華奢な印象のスリムなサイズに、波打つような面状が特徴で、繊細な表情を見せてくれます。ペンダントライトにはウォルナットを削りだして作られた、MOaREの木製「モノペンダント」をセレクト。ダイニングと和室にも同じメーカーの照明を採用しています。これらは飛騨高山で作られており、天然木の暖かさと明かりの美しさの相乗効果がもたらす心地のよいデザインが、空間をさらにやわらかな印象にしてくれます。
小上がりの畳スペース
リビングの奥には小上がりの畳スペースを作りました。こちらも里庭に面しているので、小上がりに腰かけて庭を眺めたり、窓を開けて気持ちの良い風を感じたり…。「お風呂あがりにゴロンとしても最高だね」と想像が膨らみます。
自然を感じる穏やかな暮らし
ご実家との距離や車通りが少なく、自然を感じることのできる場所、敷地内で畑もやりたいな…と、理想を描き、この土地を選ばれました。「周囲からの視線が気になるので守られている感じが欲しい」とのことでしたが、閉じ過ぎず、遮るところとそうでないところのバランスをうまく取りました。
建築家提案では、この住まいのキーポイントである『里庭』が毎日の暮らしの中心となっていくだろうと、「家は里庭を守り、里庭は光や風、景観を与えてくれる」という考えのもと、相互補完の関係を築きあげました。玄関を引き戸にしているのも、縁側とひと続きになっているようなイメージを持たせるため。里庭を介して外と中が行き来でき、どんな時でも自由に動くことができるようになっています。
鎖樋の採用で、雨の日でもその音を楽しめる工夫をプラス。「水瓶を置いてもいいなぁ…」と、これからの暮らしにワクワクしているご様子で、「家族仲良く、趣味を楽しみ、中と外が繋がるお家にしたい」と、最初に抱いていたおふたりの想いが、想像をはるかに超えて素敵にまとまりました。